
ヒンズー教の神、シヴァ神は、創造と破壊の神。
インドでは最も敬われている神のひとつだ。
そのシヴァが、妻パールバティと、
1000年ものあいだメイクラブしたと言われる渓谷、パールバティバリー。
砂漠地帯のラダック地方で一ヶ月過ごしたあと、
喉がかわいたように緑が恋しくなった。
予定を変更して二日間バスに乗って山を降り、マナリに帰ってくる。
やはりラダックから帰ってきたばかりの友人のバイクの後ろに乗せてもらい、
パールバティへ行く事にする。半日のドライブ。
あまりに久しぶりの緑の洪水で目の中がいっぱい。
ほんとにほんとに砂漠のグレー以外の色に飢えていた。
谷間をバイクで走りながら、
うれしさのあまり言葉にならない言葉でおたけびをあげる。
このときから、感動したらとりあえず絶叫、
ってのもシンプルで悪くないと思うようになった。
あまりに緑がうれしくて寄り道をしすぎたため、
思ったより時間がかかった。
暗くなってから、レンタルしたバイクのライトが壊れていることに気づく。
電池がなくなりそうな懐中電灯(インド製)の弱々しい明かりで
私がバイクの後ろから照らしながら、谷間をよろよろと走った。
すごく長い時間走った気がした。
次の朝同じところを通ってみた。ものすごい断崖絶壁。
知らぬが仏、ってよく言ったもんだ、と思う。
バイクを運転していた友人がつぶやく。
「孫ができたら話してやろう」
彼はとても若かったので、その前に子どもができたら、じゃないのか、
と突っ込みたかったけど、とりあえず同感。
私もいっしょにため息をついた。
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by shantiriot
| 2007-09-27 20:40
| 初インド旅エッセイ