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いつもだったら4月の後半には、灼熱のジャイプール滞在を経て

ネパールに移動してるのだけど、今回はどちらにも行けなそうだ。


ジャイプールは、北インドのラジャスタン州の州都。

インドを1週間で満喫しよう! つまり無理だよ!

みたいな弾丸パッケージツアーには、必ず入ってくるインド有数の観光地だ。


インドの首都デリーから南西266km、

人口約330万人(2010年。古い)のジャイプールは、

インドでは11番目に人口が多い、結構な大都市。

城壁に囲まれた「ピンク・シティ」と呼ばれる旧市街で有名。

なんでも1876年にイギリスのアルバート王子が訪れる際、

ここの建物をわざわざピンクに塗ったらしい。

200年以上前のピンクは、今ではほぼ茶色に近くなり、

かろうじて、見方によってはサーモンピンクと言えなくもない、かな

くらいだけど、それでもジャイプールは、ピンクシティの街として知られている。


他にも、窓が1000個近くある、風の宮殿「ハワ・マハール」とか、

世界遺産になっている巨大な天文台「ジャンタル・マンタル」とか

観光名所には事欠かないジャイプールだけど、

世界的に有名な石マーケットでも知られている。


ラジャスタン州で産出される天然石をジャイプールで加工して

昔のマハラジャ(王様)に献納していたので、

宝石店や、石の研磨工場がわんさかあるのだ。

マハラジャが宝飾品好きで、

インド国内はもちろん、世界各地からいろんな石を集めさせたそうだ。

ジャイプールだけで2000軒以上の石屋があると言われている。

私が数えた訳じゃないんだけど、ジャイプールにいると

それくらいの数はあるだろうという気がする。

畳二畳分くらいにショーケースをぽんと置いただけでも、店は店だ。


私がジャイプールに初めて来たのは2005年。

宝石学の学校に行くためだった。

学校は三ヶ月半だったけど

その後すぐにジュエリー制作も始めたので、

結局、約半年間ジャイプールでどっぷり石漬けの日々を送ることになった。


近所には、ジャイプールの中央郵便局があった。

学校が始まってから間もなく、日本から小包が届いたので取りに行くと

別室で待たされた。しばらくして小包を持ってきたおっちゃんは

その中身について、どうでもいい質問をしてきた。

どうでもいい質問だったので、私も適当に返してると

へんなタイミングで沈黙が訪れた。


「君、宝石の学校に行ってるんだよね?じゃあこれ、なんだかわかるかな?」


おっちゃんがかしこまってシャツの胸ポケットから何か取り出した。

小さいビニール袋に研磨された天然石が三つ入っていた。

表面は細かい傷だらけで、目立ったひびも入った

いかにも安っぽい石だった。石の名前をあてるのは

別に宝石の学校に行ってなくたってできた。


「僕の甥っ子が石屋をやってるんだ。

興味あるなら来ないか?

もし今この石が欲しいんなら安くしておくよ」


おっちゃんの笑顔は清々しく、自信に満ちていた。

そこには、こっそり本業からずれて商売しようとしてる

罪悪感はみじんもなかった。


「いや、石は足りてるので大丈夫です」

思わず吹き出しそうになったけど

私も自信に満ちてにっこり答えてみた。


おっちゃんは、あいまいに笑って首をゆらゆら降った。

インド人の「首をゆらゆら降る」はとても便利だ。

シチュエーションとその強弱によって、

YESにもNOにも、たぶんにもまあまあにもなる。


この時のおっちゃんののゆらゆらは

おそらく「なーんだ」だった。


さすがジャイプール、

郵便局員まで石を売りつけようとする。


市内でリキシャに乗っても、

だいたいどこかの石屋に連れていきたがる。

自分の持っている「スペシャル・ピース」を見せたがることも

珍しくない。だいたいスペシャルじゃないんだけど。


この、「隙あらばビジネスチャンス!」のガッツには、

しょっちゅう辟易させられるけど、

やっぱりインドだなあ、と感心することも多い。


「私には、あなたが思ってるような隙はないし、

そのガッツは無駄ではないだろうか」


と思わされるシーンは多々ある。

実際、私の時間も無駄にされてるけど

このガッツはすごいなあと思う。


石の仕入れの時も、

「この石の、この色で、このクオリティのこういう形が欲しい」

と言って、

「違う石の、違う色の、違うクオリティの、全然違う形」

のパケットを、次から次へ延々見せられることもある。


もちろん

「これは、頼んだ石はないな」と思ってやめればよい。

同じパターンが繰り返されるのにも慣れてくるので

見切りをつけるのにも慣れてくる。


でも未だに、

「次こそはもしかしたらいいものが出てくるんじゃないか」

とつい期待してしまうことがある。

パケットを次から次へと開け続け、

気づいたら、目の前に全然欲しくない石の山ができていて、

費やしてしまった時間にはっとする。


実際、このパターンで掘り出し物を見つけたりすることもある。

当初頼んだものと全く違う種類で、形も全然違うけど、

価格も見た目も魅力的な石が、ぽんと出てきたりする。


石マーケットは、物差しがあってないようなものなのだ。

これだ!という法則を学んだと思っても、あっさり肩透かしをくらうこともある。


ジャイプールは、感染状況が最も深刻なレッドゾーンに指定されている。

毎回、鍛えられるインド、鍛えられるジャイプール。

もーやんなっちゃうこともあるけど

行けないとなると全てがほろ苦く見えてくるよ。

ほろ苦いですめばいいけど。

みんな、元気かな。元気でいてね。


石まみれの街ジャイプールと無駄なガッツ。_d0132132_18441082.jpg
ジャイプール中央郵便局のある大通り。慣れ親しんだ近所。(2019年12月)



今更だけどインスタをブログに埋め込んでみた。できた。

# by shantiriot | 2020-05-14 18:34 | Shanti Riotジュエリー関連

インド全土のロックダウンが始まって48日。

前代未聞の(ほぼ)世界中、

誰もどこにもでかけない毎日。

インドはまだまだ感染者が増え続け

ロックダウンが最善の選択なのか

疑問の声もあがっている。

そんな中で、私がいる南インドのゴア州は、

新規感染者がゼロになり、

晴れてグリーンステートに。

インドのロックダウンは、5月17日まで
また2週間延長された。

ロックダウンが長引くにつれて

感染をコントロールしている地域に限って

段階的に、制限が緩められている。

ショッピングモールや映画館やバーは閉まったまま。

レストランはテイクアウトのみ。

その他は、ほとんどの店が営業を許可されている。

最初はどうなることかと思ったロックダウンも

おかげで今は、新鮮な食材は豊富にあるし、

買い物も堂々とできるようになった。

ちょっと外に出ただけで警察に追いかけられることもない。


あたりまえだと思っていたことが

いちいちありがたい。


例年なら、この時期は

灼熱の北インド・ジャイプールでの仕事も終え、

ネパール・カトマンズで

制作モード全開がふつう。


カトマンズに着いたら、まず、前回の滞在時に

デザインし始めた石たちを出してきて

うわーっと机に並べる。

デザインを考えているうちに

当初とは全く違うアイデアがわいてくることも多々ある。

そして、前のデザインに費やした時間がもったいなくなり、

デザインを方向転換するべきか否か葛藤する。


ジュエリーにかぎらず、誰にでも

この手の葛藤は多かれ少なかれあるものだ。

その時はいけると思ったアイデアが

よくよく詰めてみると

いや、こっちじゃなくてあっちかな、

でも、それなりに時間もエネルギーもかけた

このアイデアを捨ててしまうのはもったいない。

ふたつのアイデアを天秤にかけて

自分会議をする。


デザインをしている時、私は独り言が多い。

だいたい、石に話しかけている。

「うーん、どうするかねえ。どうしたい?」

という具体的な質問だったり

「よし、これでいこう!。大丈夫だよね」

の確認だったり。

だいたいの場合、答えがもらえる。

すぐとは限らないけど、もらえる。

もらえたことにして、よし!と声に出して

次にすすむ。


できあがったジュエリーに関しては

石のヒーリングパワーを前面にお勧めすることはしてこなかった。

正直、照れちゃうのだ。

淀みなくスラスラと、この石にはこの効能!とか恥ずかしくなっちゃうのだ。

私はあくまでもあくまでも宝石学を学んだ者で、

ジュエリーデザイナーであっても

クリスタルヒーラーではない。

門外漢が知ったかぶりしてる気がして照れちゃうのだ。

クリスタルヒーラーですという人に会っても照れちゃうのだ。


とはいえ、石には力があることは否定できない。

それは経験的にわかってるので

ここ数年、恥ずかしさを乗り越えて

少しずつ言葉で伝えるようになった。

伝えられる人は、私の密かな照れくささなんて

気にしちゃいないのでけっこう聞いてくれる。

おかげで私も調子にのってここ最近、けっこう話すようになった。


でも、この「ちょっと照れくさい」を

私は大切にしたい。

大好きな石だからからこそ、

「だってたかが石なんだし、全部を委ねないでね」

という感覚を忘れたくない。

石はあなたの問題すべてを引き受けてくれない。


私は石屋になれるほどいろんな石を持っている。

クリスタルバイブルによれば

私の問題は全て解決されてるはずだ。

でもね、全部は助けてくれないけど

お助けマンになってくれることはちょくちょくある。

そこは否定できない。できないので

石にパワーはあるかと言われたら

絶対あると答える。


でも、

それ故の、照れなのだ。

「この石は、こんな手助けをしてくれるんだって、かわいい奴だよね。」

くらいの距離感がちょうどいい。

毎日石まみれの生活をしている私にとって、その距離感が、

おごらずに謙虚に、卑下せずに自分を見ることにつながってる気がする。


というと、まるで私ができた人みたいだけど

まあまあ、それは日々葛藤、日進月歩、七転び八起き。

大切なのは心がけである。


ロックダウンの非常時モードから、徐々にホリデーモードに。

あきらめモードなのか受けいれモードなのか、どちらにしろ

いつものように制作モードに没頭できない今だけど、

石まみれの日々から遠ざかる前に

石やジュエリーの話も少しずつしようかな。

石に話しかけることと、石のヒーリングパワーについて話すこと。_d0132132_20074988.jpg

とはいえマンゴーシーズンじわじわ到来中。

しぼりたてのバッファローミルクから作ったヨーグルトは、

数日経つと、ほぼクリームになっていた。



# by shantiriot | 2020-05-09 20:12 | Shanti Riotジュエリー関連

インド全土のロックダウンは

5月3日では終わらず

またもやあと2週間の延長が決定。

今日からロックダウン3.0に突入。

いったいいくつまでバージョンアップされるんだ。

インド全体ではロックダウン始まってから

感染者は60倍にも増えたそう。

都会の貧しい層を中心に広がっているという。

このロックダウンという処置が正しいかどうか

これからわかってくるのだろう。


私がいる南インドのゴアは、

ありがたいことに

4月3日から新規感染者が確認されておらず

グリーンステートに指定されている。

おかげで今日から酒類の販売も開始。

そう、今まで酒類販売禁止だったのだ!


各国のロックダウンで、

家にいると飲みすぎちゃう、

オンライン飲み会だとついつい深酒、

とか贅沢な悩みだよ、と貴重な酒を

ちびちびやりながら思ってたんだけど、

今日からついに酒解禁なり。

とはいえ、それはゴアがインドでも数少ないグリーンステートだからであって、

インドのほとんどの地域では酒類の販売は依然禁止。

もともと飲酒はよいものとされておらず、

場所によっては、ケララ州のように、飲酒が禁止されている

「ドライ・ステート」もあるくらい。

そこと比べてゴア州は、国産の酒の酒税がただなので

ゴアに観光客が集まるのは、

酒が安く、大っぴらに飲めるという点も大きい。


13億人いるインドをまるっとまとめられないのを承知で

あえて言っちゃうけど、

文化的に飲酒が受け入れられていないインドでは

酒の飲み方を知らない人が多い。

つまり、「シラフ」か、「泥酔」しかない。

「ほろ酔い」が、びっくりするくらい短い。

飲み始めたかと思ったら、一瞬でつぶれてしまう。

だから炎天下のビーチでウイスキーと水をつまみなしで飲んで

砂浜でつぶれてそのままこんがり太陽に灼かれるインド人ツーリスト、という図は

しょっちゅう見かける。

ロックダウンで呑んだくれられたらめんどくさいことしかないので

ロックダウンと酒類販売禁止のセットはやむを得ないんだな。

というわけで、ロックダウン中だけど酒が買えることになったゴアは

ものすごーい恵まれているのだ。

今まであたりまえと思っていたこと、

もういちいちありがたい。


酒だけにフォーカスしてしまったけど
州境はロックダウン3.0中も、基本的にクローズだけど

故郷に帰りたい人たちのためにバスの臨時便が出るとのこと。

ゴア州は州外から出稼ぎにきてる、季節労働者がたくさんいる。

このロックダウンで軒並み足止めされてしまった人たちもわんさかいる。

今日、初めて隣のカルナタカ州行きのバスが出る。

ゴアに住んでる人は、地元の人も外国人も

必ずお世話になる人たちで、

マーケット出店の店舗設営から荷物運び、

パーティの準備と片付け、庭掃除やその他もろもろ

この人たちがいないと何も廻らない。

ブルーシートと竹で家を作って、集落を作って

シーズン中はゴアに住んでいる。

この家割と快適みたいだけど

雨にはひとたまりもない。

モンスーン前に帰れてよかったね。

ちゃんと帰れますように。


私は元気です。

みんなも元気でね。


インド全土 ロックダウン3.0 へ。_d0132132_20342859.jpg

とはいえ確実に飲む量は減り、なんと、毎日のヨガも継続できているので、健康的な日々を送っている。







# by shantiriot | 2020-05-04 20:36 | 日々のつぶやきもろもろ

南インドのゴアにいます。

5月3日までのインド全土のロックダウンは

どうやらまた延長されそうな様子です。

インドの感染者数は、22,629 例 (死亡1007例)(4月29日現在)

私がいるゴア州は、4月3日以降の感染者は確認されておらず、

晴れて「グリーン・ステート」になったのだけど、

インド全体では、この2日で2000人近くの感染が確認されている。

しつこいですが、なんせでかいインド。

地域差がすごい。ゴア州のすぐ上のマハラシュトラ州には、

大都市ムンバイがある。インドの大都市は軒並み「レッド・ゾーン」に指定されていて

地域によっては「家から一歩も出るな!」レベルのところも。

だからゴア州がグリーンステートだからと行って、

じゃんじゃん州境をオープンして

人をいれるわけにはいかない。


という訳で、グリーンステートになり

人々もとりあえずほっとしたものの、

あまり他の州と大っぴらに差はつけられないため、

基本的には買い物以外は外出禁止。


そもそも多くのインド人にとって、家の中にいろというのはとても難しいはず。

基本的に、家に一日中いるライフスタイルになってない。

インドだけじゃないけど、小さい家に大家族が住んでるのは当たり前なので、

ちょこちょこ誰かが外に出ないとスペースのバランスがとれない。


今の時期のインドは、ヒマラヤにでも行かないかぎり

暑くて暑くて大変なところがほとんどなので、

どんなに涼しいつくりにしても、エアコンが家中効いてる、

とかでもない限り、一日中家の中にいたら危険なくらい暑い。


だからといって、ヨーロッパみたいに

運動のため外に出る、ことをうっかり許可してしまうと

もう収集つかなくなっちゃうのねたぶん。

だから、一応ダメと言っておかなきゃいけないんだな、

一回いいと言ってしまうと、

言い訳の天才のインド人たちは、なんだかんだ屁理屈つけて

どんどん外に出ちゃうもんな、

と、ロックダウンが進むにつれ、わかってきた。


幸いなことにインドの他の地域と比べてリラックスしてきたゴアは、

夕方になると、家族総出(多い)でうれしそうに道端をうろうろしている。


それもこれも、ゴアで私がいるところは

超観光地だけど

観光客がいなければ、漁村+畑

みたいな田舎だから成り立つ話。

そして、今の時期はどちらにしろ

外国人シーズンはもう終盤。

多くの外国人は、自分の国に帰っている。

今年は、イレギュラーな展開により、

帰りたいけど帰れない、帰りたくない外国人がいつもより多い。

ハイシーズンは終わっても、

モンスーン(雨季)は、インド人観光客シーズンになる。

しかし、今、インド人観光客は皆無。


道はどこも空いていて、人もゴミも少なくて

いつものゴアのシーズン終盤の何倍ものんびり感があるのだ。


とは言え、毎回言いますが、

のんびりしてられる私は恵まれている。

ロックダウンが始まったとき(3月22日)は、

シーズン終盤といえ、まだ季節営業のレストランは閉店する前。


ゴアのちょっとした規模のレストランは、たいてい

ゴアの外からシーズン中だけで稼ぎにきているインド人や

ネパール人スタッフを抱えている。

さあ、シーズンも終わりで、そろそろ閉店準備をして、

みんな自分の故郷に帰るよーというタイミングで

いきなり(4時間前に告知!)のロックダウン。

インド中の電車が全てストップ。

故郷どころか、隣町までも行けなくなってしまう。


そこは、ビジネスを営むオーナーの責任になるので

いきなり

「収入ないけど身動きのとれないスタッフを食べさせなきゃいけない」

状況になる。

店によってはその人数が数十人から100人を超えるところもある。

休業補償なんて最初からないものとされているのでこれはもう

ロックダウンが終わるまでの修行のようなもの。
場所によっては、ロックダウンとともに解雇されちゃうことも多々あるので

これは良心的なオーナーの話。

だからと言って、日本が休業補償しない言い訳にはならないよもちろん。


私は、自分のことだけなんとかすればなんとかなるので

たいしたことないのだ。ほんとに。


朝や夕方は、

畑のはしっこで、サリーを着た超元気そうなおばあちゃんが

見るからに採りたての、菜っ葉やら大根やらを並べてる。

葉物は、さわったらチクチクするんじゃないかというくらい新鮮。


近くに、バッファロー15頭を飼っているおいちゃんの家がある。

いつ見かけても満面の笑みで挨拶してくれるおいちゃんの目は

やたらとキラキラしてている。

どこにでもしゃきしゃき歩いて行く派。

いや、バイクがないとけっこう不便なんだけどねゴア。

バイクの後ろに乗るかと言っても、いつもにっこり遠慮される。

そんなおいちゃん家のバッファロー達は、みんなとても毛並みがよくて

やたらとキラキラした目をしている。

ミルクを卸すレストランが全てクローズして、おいちゃんの収入激減は

世界中と同じパターンである。


おいちゃんの家に行って、しぼりたてのミルクを3リットル買ってきて、

その日のうちに、そのミルクからヨーグルトとパニール(インドのカッテージチーズみたいなん)

を作る。(というと偉そうですが作ってもらったよ。)

一晩たって出来上がったヨーグルトの表面には、

濃厚なクリームの層ができて、ふるふると揺れている。

至福のうまさである。

ビーガンは遠い。ローファットミルクも程遠い。

でも、とても大切にされているバッファローからのミルクを、

搾った人から購入するのは

理にかなっているんじゃないかなと思う。


ロックダウン最初の頃は、


「このお米がなくなったらどうしよう」

「外国人だからって攻撃されたらどうしよう」


という不安も正直あった。

それが、だんだん落ち着いてきてからは、


「大勢の人が大変な時に、こんなぜいたくな時間をすごしていいのだろうか」

という、余計な罪悪感が頭をもたげてきたのだけど

この罪悪感は、誰の役にもたたないどころが弊害しかないということもわかり、

今は、「何が起こっても、そこから何を学ぶかはその人次第」ということを

心におくことにした。

あたりまえっちゃあたりまえなんだけどね、

時によっては、自分で設定したくせに、このなんちゃって座右の銘がプレッシャーになったりするけど

そんなプレッシャーは誰の役にもたたないどころが弊害しかないということもわかった。


というわけで、世界中そうだろうと思うけど

やたら家を掃除して、次のご飯をどうしようか考える時間が増えている。

元気です。みんな元気でいてね。


堂々と、有意義に過ごしますロックダウン。(でもノープレッシャーでね)_d0132132_20252129.jpg

ジュエリーの撮影を始めた。いろいろ撮影のお供を揃えてみるも、日差しが強いので、勝負時間が短い!



# by shantiriot | 2020-04-29 20:35 | 日々のつぶやきもろもろ

インドロックダウン2.0

インド全域ロックダウンが始まって4週間がすぎた。

南インドのゴア州にいます。

元気です。


4月14日までの予定だったロックダウンは、

予想どおり延長されて、5月3日まで。

延長されたロックダウンは、ロックダウン2.0と呼ばれている。

ステージ2、みたいな感じかな。

インド国内でも、人の動きは制限されているけど

貨物列車は動き始めた。


インドの感染者数は、20,835 例 (死亡872例)(4月27日現在)

何しろ大きい国なので、感染者数がこんなに多くても、

人口比でみると、感染爆発した国、とは言えない。

インド全土ロックダウンは、13億人が巻き込まれる。

インド国内でも感染状況にかなり差があり、

その感染者数の多い順に、

レッドゾーン、オレンジゾーン、グリーンゾーンに分けられるようになった。

インド主要都市は全て、4月16日にレッドゾーンに指定されている。


私のいるゴア州は、4月3日を最後に、新しい感染者が出ていない。

計7人いた感染者は、今では全て完治。

インドでは数少ない、州全てがグリーンゾーンの、グリーンステートに認定された。


とはいえ、インドの主要都市は全てレッドゾーンに指定されている。

繰り返すけど、インドはとにかくでかい。

国土は、日本の8倍近くあって、それが28州と9つの連邦直轄領に分かれている。

私のいるゴア州は、ぶっちぎり一番小さい。

何しろ、埼玉県くらいの大きさしかない。

3月22日にインド全土がロックダウンした時のゴア州での感染者はひとりだった。

だから、完全ロックダウンして州境を閉鎖し、

人の流れをシャットアウトしたら、

小さい州だけあって感染を抑えられた、ということなんだろう。

検査数は間違いなく少ないけど、

でもこの小さなゴアで医療崩壊が起こったら、

必ずニュースは即広まると思うんだけど、今のところそういう話も聞かない。


グリーンステートになったニュースが伝えられたときは、

もう、道行く人とハグじゃなくてもハイタッチしたいくらい安堵感があった。


いや、しませんよ、ハイタッチ。


そう、感染者がゼロだからと言って、

ゴアだけ抜け駆けして、諸々解放するわけにはいかないのだ。

感染者数が多いムンバイは、ゴア州の隣の州。

州境は相変わらず閉じられていて、

学校も休校のまま。

不要不急の外出は控えること、というのは変わらない。

でも、少しずつ開いてる店も増えてきて

レストランも、テイクアウト営業するところが増えてきて、

特に外出の時間も制限されていない。

夕方、外に出ると、家族で散歩してる風の光景も見られる。

警察も、いるにはいるけど、前と比べるとゆるくなっている。

人が多く集まらないように、警告の意味で置かれているようだ。


社会的距離は、インドではすごく難しい。

もともと人との距離が近いのが普通で、特にそれがストレスにならないのだ。


インドの列車で、うっかり三等車両に乗ってしまうと

東京の通勤ラッシュ顔負けのぎゅうぎゅうぶりだったりする。


ただ、東京の通勤ラッシュと大きく違うのは、

インドの人混みは、みんなぎゅうぎゅうお互いを押し合って、

自分のスペースを確保するんだけど、大体の場合


誰も怒っていない。


押されたら普通に押し返すけど、別にそれは失礼じゃなくて

押したりひいたりの中、どうにかおさまるポイントを各々が見つけて

そこに収まっていく、というような、

カオス故になりたつシステム、みたいなものがある。

だから、社会的距離、というコンセプトとは真逆なところで

成立ってきた文化でもあるんだなきっと。


手をこまめに洗うのに十分な水がないところも多いし、

病院の数を考えても、医療崩壊までもあっという間。

だから、早めのロックダウンは賢明な措置だったという見方も多い。

ただ、そのせいで、インド人の人口25パーセントを占めると言われる貧困層が

あっという間に死ぬか生きるかの瀬戸際になってしまったり

政治的、人道的には問題だらけなので、

もちろんストレートに賛同はできずに複雑な気持ちのままだ。


インドの、カオス故になりたつシステムにはやっぱり無駄もあって、

イライラすることも多々あるのだけど、

ぎゅうぎゅうしたくてもできない今、なんだかあのカオスが懐かしい。


おお。私ったらなんて余裕の発言。

そう、インドのどこにいるかで状況は全く変わるのだ。

首都デリーの、感染者が多い、人口密集地域になんかいたら

家からそれこそ一歩も出られなくて、カオスを懐かしがっている余裕なんかない。


それもこれも、私には快適な家も、助け合える近くの友人も

気にかけてくれる遠くの友人も、豊富にある新鮮な地元の野菜も

必要なものは全部ある。

漁師も漁が許されて、この前は蟹カレーを作ってもらった。

新月は蟹の身が詰まってるんだって。

おかげさまで、豊かな食生活。

感謝の日々ですほんとに。


JALも、ANAも、5月31日まではインド日本間の便はない。

まだ帰国のめどがたたないけど

とりあえず東京よりはゴアにいたほうが良さそうだ。


日本もとほほなニュースばかりで遠い目をしてしまう。

牛肉券、お魚券、ときて、カビノマスク配布のオチは、エイプリルフールかと思った。

旅行券も外食券も、収束時につぶれていなければ、の話。

補償と休業はセットだよね。

日本にいたっていなくたって、傍若無人ぶり、見てますよちゃんと。


日本のみんな、元気でね。

早くハイタッチがしたいよね。


インドロックダウン2.0_d0132132_20404748.jpg
買い物にかこつけて、本当に一瞬だけビーチに。こんなに近いのにずっと見ていなかった海。拝みたくなる。
地元のおっちゃんが釣りをしていた。少しでも当たり前の景色がこんなにありがたいなんて。


# by shantiriot | 2020-04-27 20:48 | 日々のつぶやきもろもろ

RIO :天然石とシルバーの一点もの中心のジュエリーブランドShanti Riotのデザイナー。インドネパールを中心に旅しつつ制作しつつ、まったりとエキサイティングな日々を送っています。Home is where your heart is.


by shantiriot
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