2007年 09月 27日
インド北部 キリガンガ

キリガンガは北インドの山間部パールバティバリーから
バスと歩きで丸一日かかる。
ここもインドの聖地のひとつだ。インドは聖地だらけなのだ。
訪ねてくる旅行者にテントを貸し出す小屋が2、3軒あるだけで、
居住区にはなっていない。
5時間黙々と山道をのぼるうちに雨が降ってきた。
キリガンガはヒンズー教の神であるシバ神の息子が
1000年だか2000年だか瞑想したところ、らしい。
ここらへんの時間の間隔に、
インドはすごいと思ってしまうんだけど、
雨に降られた私はびしょぬれだわ寒いわ逃げ場はないわ、
でキリガンガの神聖さなんてどうでもよくなってくる。
1000年でも2000年でも勝手に瞑想しててくれ、
あたしはもう帰るよ、と
後ろ向きモードになってきたところで、パッと道が開ける。
タイミングを同じくして雨がやむ。
あたりには霧が立ちこめ、
なんだか急に空が近くなった気がする。
「なるほどね、これだったら1000年くらい瞑想しちゃうよねえ」
急にものわかりがよくなる私。
月を見ながら温泉にはいる。トイレはないので、
みんな山の中に水のボトルを持って消えていく。
慣れるとこんなに気持ちいいものはないのだ。
何にもない、の贅沢。
人間に必要なものってそんなに多くないんだなあ、
と感慨にふけるのもつかの間、
夜凍えそうになって毛布を借りた。
by shantiriot
| 2007-09-27 20:45
| 初インド旅エッセイ