2007年 09月 27日
インド北部ラダック(2003)

インドの北も北、ほとんどチベット、というくらい北にあるラダック地方。
世界で二番目に標高が高い道路で、マナリという街とつながっている。
この道路、雪のため、1年に4ヶ月しか開通しない。
その道路をバスでまる二日行くと、
ラダック地方の首都、レーに到着する。
私は、できたら歩道橋も避けて通りたいほどの高所恐怖症。
断崖絶壁をよろよろ進むバスは、
そりゃもうスリル満点で、ひんやりねっとりじっとり、
あまりありがたくない汗がでてくる。
標高5000mを越えると
さすがに頭のぐるぐるも加速せざるを得ない。
ぐるぐるしながら何度もうとうとする。
ふと目がさめる度に、
砂漠にそびえたつ山々は違う表情を見せてくれる。
山の斜面に風でできた模様が
まるでお城のバルコニーのようだったり、
赤紫の地層がスロープを作っていたり。
バスがふらふらカーブを曲がるたび、
おもちゃ箱を開けるようにわくわくする。
2日後、砂漠の景色に飽きてきたころ、
いきなりグリーンが見えた。畑の緑だ。
バスの中で歓声があがり、一気にみんな元気になる。
町中にレーの街が見渡せる高台がある。
登るのにゆうに30分かかる。
3000m以上の標高なので、30分登るのにも息がきれる。
やっとたどりついた展望台から見えたのは、
砂漠のなかに目が痛くなるような緑。
乾いた土に、しずくをぽってり垂らしたようなオアシスだった。
緑が目に痛いと感じられるのってなんて
幸せなんだろうと思った。
by shantiriot
| 2007-09-27 19:50