2020年 04月 29日
堂々と、有意義に過ごしますロックダウン。(でもノープレッシャーでね)
南インドのゴアにいます。
5月3日までのインド全土のロックダウンは
どうやらまた延長されそうな様子です。
インドの感染者数は、22,629 例 (死亡1007例)(4月29日現在)
私がいるゴア州は、4月3日以降の感染者は確認されておらず、
晴れて「グリーン・ステート」になったのだけど、
インド全体では、この2日で2000人近くの感染が確認されている。
しつこいですが、なんせでかいインド。
地域差がすごい。ゴア州のすぐ上のマハラシュトラ州には、
大都市ムンバイがある。インドの大都市は軒並み「レッド・ゾーン」に指定されていて
地域によっては「家から一歩も出るな!」レベルのところも。
だからゴア州がグリーンステートだからと行って、
じゃんじゃん州境をオープンして
人をいれるわけにはいかない。
という訳で、グリーンステートになり
人々もとりあえずほっとしたものの、
あまり他の州と大っぴらに差はつけられないため、
基本的には買い物以外は外出禁止。
そもそも多くのインド人にとって、家の中にいろというのはとても難しいはず。
基本的に、家に一日中いるライフスタイルになってない。
インドだけじゃないけど、小さい家に大家族が住んでるのは当たり前なので、
ちょこちょこ誰かが外に出ないとスペースのバランスがとれない。
今の時期のインドは、ヒマラヤにでも行かないかぎり
暑くて暑くて大変なところがほとんどなので、
どんなに涼しいつくりにしても、エアコンが家中効いてる、
とかでもない限り、一日中家の中にいたら危険なくらい暑い。
だからといって、ヨーロッパみたいに
運動のため外に出る、ことをうっかり許可してしまうと
もう収集つかなくなっちゃうのねたぶん。
だから、一応ダメと言っておかなきゃいけないんだな、
一回いいと言ってしまうと、
言い訳の天才のインド人たちは、なんだかんだ屁理屈つけて
どんどん外に出ちゃうもんな、
と、ロックダウンが進むにつれ、わかってきた。
幸いなことにインドの他の地域と比べてリラックスしてきたゴアは、
夕方になると、家族総出(多い)でうれしそうに道端をうろうろしている。
それもこれも、ゴアで私がいるところは
超観光地だけど
観光客がいなければ、漁村+畑
みたいな田舎だから成り立つ話。
そして、今の時期はどちらにしろ
外国人シーズンはもう終盤。
多くの外国人は、自分の国に帰っている。
今年は、イレギュラーな展開により、
帰りたいけど帰れない、帰りたくない外国人がいつもより多い。
ハイシーズンは終わっても、
モンスーン(雨季)は、インド人観光客シーズンになる。
しかし、今、インド人観光客は皆無。
道はどこも空いていて、人もゴミも少なくて
いつものゴアのシーズン終盤の何倍ものんびり感があるのだ。
とは言え、毎回言いますが、
のんびりしてられる私は恵まれている。
ロックダウンが始まったとき(3月22日)は、
シーズン終盤といえ、まだ季節営業のレストランは閉店する前。
ゴアのちょっとした規模のレストランは、たいてい
ゴアの外からシーズン中だけで稼ぎにきているインド人や
ネパール人スタッフを抱えている。
さあ、シーズンも終わりで、そろそろ閉店準備をして、
みんな自分の故郷に帰るよーというタイミングで
いきなり(4時間前に告知!)のロックダウン。
インド中の電車が全てストップ。
故郷どころか、隣町までも行けなくなってしまう。
そこは、ビジネスを営むオーナーの責任になるので
いきなり
「収入ないけど身動きのとれないスタッフを食べさせなきゃいけない」
状況になる。
店によってはその人数が数十人から100人を超えるところもある。
休業補償なんて最初からないものとされているのでこれはもう
ロックダウンが終わるまでの修行のようなもの。
場所によっては、ロックダウンとともに解雇されちゃうことも多々あるので
これは良心的なオーナーの話。
だからと言って、日本が休業補償しない言い訳にはならないよもちろん。
私は、自分のことだけなんとかすればなんとかなるので
たいしたことないのだ。ほんとに。
朝や夕方は、
畑のはしっこで、サリーを着た超元気そうなおばあちゃんが
見るからに採りたての、菜っ葉やら大根やらを並べてる。
葉物は、さわったらチクチクするんじゃないかというくらい新鮮。
近くに、バッファロー15頭を飼っているおいちゃんの家がある。
いつ見かけても満面の笑みで挨拶してくれるおいちゃんの目は
やたらとキラキラしてている。
どこにでもしゃきしゃき歩いて行く派。
いや、バイクがないとけっこう不便なんだけどねゴア。
バイクの後ろに乗るかと言っても、いつもにっこり遠慮される。
そんなおいちゃん家のバッファロー達は、みんなとても毛並みがよくて
やたらとキラキラした目をしている。
ミルクを卸すレストランが全てクローズして、おいちゃんの収入激減は
世界中と同じパターンである。
おいちゃんの家に行って、しぼりたてのミルクを3リットル買ってきて、
その日のうちに、そのミルクからヨーグルトとパニール(インドのカッテージチーズみたいなん)
を作る。(というと偉そうですが作ってもらったよ。)
一晩たって出来上がったヨーグルトの表面には、
濃厚なクリームの層ができて、ふるふると揺れている。
至福のうまさである。
ビーガンは遠い。ローファットミルクも程遠い。
でも、とても大切にされているバッファローからのミルクを、
搾った人から購入するのは
理にかなっているんじゃないかなと思う。
ロックダウン最初の頃は、
「このお米がなくなったらどうしよう」
「外国人だからって攻撃されたらどうしよう」
という不安も正直あった。
それが、だんだん落ち着いてきてからは、
「大勢の人が大変な時に、こんなぜいたくな時間をすごしていいのだろうか」
という、余計な罪悪感が頭をもたげてきたのだけど
この罪悪感は、誰の役にもたたないどころが弊害しかないということもわかり、
今は、「何が起こっても、そこから何を学ぶかはその人次第」ということを
心におくことにした。
あたりまえっちゃあたりまえなんだけどね、
時によっては、自分で設定したくせに、このなんちゃって座右の銘がプレッシャーになったりするけど
そんなプレッシャーは誰の役にもたたないどころが弊害しかないということもわかった。
というわけで、世界中そうだろうと思うけど
やたら家を掃除して、次のご飯をどうしようか考える時間が増えている。
元気です。みんな元気でいてね。

ジュエリーの撮影を始めた。いろいろ撮影のお供を揃えてみるも、日差しが強いので、勝負時間が短い!