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マレーシアに罪はない

南インドのゴア生活も半ばを過ぎ、

だんだん暑い時期がジリジリ近づいてくるのを感じるここ数日。

ゴア生活を一瞬抜け出して、この前さくっとマレーシアに行ってきました。


ビザの関係で、一旦インドを出ないといけなかったので、

やむを得ずのインド脱出。どうせマレーシアに行くのなら、

前回行ったペナン島の国立公園が素晴らしいから

あそこでボーッとして3日で帰ってこようっと。


と、今までになく超軽い荷物に不安さえ覚えながら、

身軽にゴアを後にしたのだけど、


まずは、クアラルンプールに到着すると同時に

持病の膀胱炎が勃発。もう何度もやってる膀胱炎。

抗生物質以外でどうにかする方法はいろいろ試し済みでわかってるんだけど、

出発前は全く健康だったので、

ほとんど膀胱炎グッズを持って出ておらず、

結局涙目でトイレから出られず。


これに追い打ちをかけるのが、実はこの週末は、

中国の旧正月の週末にどんぴしゃり。


チケットを買ってからそのことに気づき、

まあ店は開いていないけど、国立公園でジャングルと戯れてるからいいか、

と思ってたんだけど、甘かった。甘かったよ!


まず、旧正月渋滞を甘くみていた。

日本のお盆の帰省ラッシュと全く同じ。

クアラルンプールからペナンまでは、バスで4時間から6時間かかるのだけど

旧正月の週末の土曜、行きは約8時間かかる。

膀胱炎になった時はとにかく水分補給がかかせないんだけど、

やたらデラックスだがトイレがないバス故、あまり水も飲めず。


滞在したジョージタウンは世界遺産になっている街で、

イギリス植民地時代のコロニアル様式の建築と

中華系がミックスされて、街歩きが楽しい場所

初日は街歩きも何もなかったんだけど

宿を探すのにやっぱりある程度迷い、

不可抗力の街歩き。

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痛み止めと、一袋だけ持っていたクランベリー濃縮パウダーと、プロポリスでなんとかしのいで、

次の日回復していたら国立公園に行くつもりでいた。

しかし、膀胱炎はそんなにさっさとは治らないのだ。

今までの経験からわかっていたのに、メインイベントをあきらめるのが悔しいので

次の朝、なんとか出かけてみる。

朝ごはんのヌードルを食べながら

一時間のバスの旅を想像して憂鬱になる。

それが憂鬱ならバスの旅のあと、国立公園を3時間のウォーキングなんて、

もう暗雲立ち込める一番暑い時間帯でふらつく自分

しか考えられないので、あほらしくて帰ってくる。

そこまでして観光する意味はない。


気を取り直して、旧正月でも開いてるショッピングセンターは

ドラッグストアがあるということなので

まずはそっちに歩いていってみる。


甘かった。

ドラッグストアが開いてても、薬局部分は閉まってる!

つまり、サプリは買えても薬が買えないのだ。


唯一見つかったのが輸入物のクランベリージュース。

クランベリーは膀胱炎予防に効果があるのは知っていたので

もうすがるように、高くて立派すぎる瓶にはいってるそれを買って

即、指定量の3倍くらい飲む。


すると、10分後になんと!痛みが和らいでいた。

「クランベリーが効くのは膀胱炎の予防であって治療には効果があるという十分なエビデンスがない」

というのをあとでネットで読んだんだけど


はい、私エビデンス!クランベリー愛してる!


しかし、次の日の日曜日、月曜のペナン島からクアラルンプール行きのバスを予約しようとしたら

どの旅行会社でも、満席とのこと。

クアラルンプールからゴアに飛ぶのは月曜夜9時。どうしても次の日ペナンに帰らなきゃ。

しょうがないのでまた小一時間バスに乗り、ペナンのメインのバスターミナルに直接交渉しに行く。

最後のバスだと言われて、割高だけど買う。所用時間は4時間、のはずだったのだが。


月曜の午後、1時間半遅れで出発したバスで、

うとうとから目覚めて窓から外を見ると


「あたし走ったってもうちょっと速いんじゃないか」


という調子なのが延々と続く。帰省ラッシュピーク時って月曜日なのね。

こればかりはバスから降りてタクシーって訳にもいかない超渋滞なので、

もうどうしようもない。どうしようもなさすぎると人はけっこう落ち着くのだ。

2時にはクアラルンプール到着予定で、

先月日本からクアラルンプールに引っ越した友達と落ち合うはずが、

もちろんそこはあきらめるしかない。

せっかくバスターミナルまで来てくれたのに。ほんとにごめんね。


しかし、フライトだ。

恐る恐るバスドライバーに何時にクアラルンプール到着か聞いてみると

「フライト9時?残念だが遅すぎるね、昨日も同じ状況でフライトを逃した人が何人かいたよ」

KLセントラルステーションに着いたのは7時を回っていた。

バスのドライバーには、空港までタクシーで行けと言われたものの、

同じバスのシンガポール人のカップルに、電車のほうが絶対はやい!

言われて、電車に賭けてみる。

成田エクスプレスと同じくらいする

立派なエアポート・エクスプレスが15分に一本で、

次の電車は3分後!というのでダッシュしてなんとか乗る。

国際便出発の1時間20分前にクアラルンプール空港駅に到着。


バスは5時間も遅れて到着したのでした。


搭乗口でやっと腰をおろしたら

じわじわと安堵感と達成感がわいてきて、

膀胱炎のことをすっかり忘れる。


幸せとは、相対的なもんなのだ。

病気が治ったあとの元気は、それまでの元気と

量は同じだとしても、質が違うのだ。元気の評価が上がるのだ。

「膀胱炎だけどフライトは逃さなかったあたし」

と「膀胱炎だけどフライトは別に問題なくのれたあたし」

とは、似て非なるもんなのだ。前者のほうがハッピー評価なわけだ。


しかし、うちに帰るまでが遠足です。

乗り継ぎのバンガロール空港で、

短いけどその時の私には長い夜を明かして

やっとゴアへのフライト!ただいまゴア!お待たせ!


のはずが、


「目的地のゴアが霧のため、この飛行機はバンガロールに引き返すことになりました」

機内アナウンスを聞いた瞬間、聞かなかったことにした。

そんなことはおかまいなしに飛行機はバンガロールに戻り、

結局ゴアには2時間半遅れで到着。たかだか1時間のフライトのはずだったんだけどね。


そのうえその日の朝出発の友達に会うために

ゴア空港で一時間半待ったんだけど

行き違いで結局2秒しか会えず、


ゴアの家に、ボロ切れのようにたどり着いたのでした。

庭のココナッツやマンゴーの木も、

ご飯せびりに来るごつい顔した野良猫も

庭まで迫ってくる牛たちも、

みんなが私におかえりと言っている。

ああ私のベッド。お待たせ。


今回、マレーシアに罪はありません。

国立公園は美しい裏道がたくさんあるしね。

またリベンジしに戻るよ。

膀胱炎のせいで、

辛いものも魚介類も食べてないし、つまりカレー食べてないし。


膀胱炎は気をつけようがないことも多々あるが、

旧正月のマレーシア旅行は気をつけようがあるのでお気をつけください。


by shantiriot | 2018-03-01 14:41 | 日々のつぶやきもろもろ

RIO :天然石とシルバーの一点もの中心のジュエリーブランドShanti Riotのデザイナー。インドネパールを中心に旅しつつ制作しつつ、まったりとエキサイティングな日々を送っています。Home is where your heart is.


by shantiriot
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