会いたかったらすぐ会おう

意外なところで意外な人と会う事がよくある。
意外なところで意外な人がつながっている事が判明したり、
スモールワールド現象は、「まあ、あるよなあ、そういう事」
と受け入れていると、更にどんどん起こっていく気がする。

今週まで個展をしていたカフェ谷中ボッサに先月寄った。
ほんとはその日から、
10日間の瞑想コースに行く予定でキャンセル待ちをしていたのだけど、
結局当日までキャンセルが出ず、いきなり時間ができたので
夕方ボッサに行けたのだ。

閉店近くになって、
お店にボッサのお客さん/お友達のさわやかーな男性がやってきた。
芸大で教えている映像作家だと紹介されて、
ボッサの二人と和やかに話しながら
男性がお裾分けのジャムかなんか渡しているのを見ながら、

「なんか見覚えあるんだよなあーーー
でも会ったのすごい昔なんだけど
変わってなさすぎて、つじつまが合わないなあ」

と思いつつ、名前を聞いてみた。

「ミヨシです」

「あーーーっ!そうだ、三好くんだ!三好くん双子でしょ!」

「はい」

「そんでもって三好くんの双子の兄弟は陽子と結婚してるでしょ!」

「えええーーーっ!陽子ちゃんを知ってるのーー!??」

「知ってるよーー!ずっっっと会ってない!どうしてるの?会いたい会いたい!」

三好くんの一卵性の双子の弟(兄かもしれない)は建築家で、彼の妻が陽子だった。
十数年前に、友達のハウスパーティで何回か会って意気投合して、
ワインをがばがば呑んでマシンガントークを何度かやった。
頭がよく切れて、どんなお題を投げても何かはぽんと返ってくる面白い子だった。
フランス語ができて、小説家になると言って、いろいろ書きためていた。
そういや結婚式も行った!引き出物が、ゲスト全員分の手彫りの判子だった!
陽子とはメールもやり取りしていたんだけど、夫の仕事でフランスに引っ越して
私も旅人になったりして、特に理由もなく連絡がとぎれてそのままになってしまった。
ふと思い出して、どうしてるかなあーまた会いたいなあーと思いつつ、
連絡しなくなっている人っているでしょ。あれだった。

三好くんは、単にまだ若く見えるだけで、あの三好くんだった。
たぶん彼とは一回結婚式で会った、とかだけだと思うんだけど
何せ一卵性双生児なので、私の知っていた陽子の夫の三好くんと
瓜二つだったのだ。

私は、これで陽子とつながったー!と思って大喜びだった。
そうそう、会うべく人には会えるようになってるのよ!

そしたら、三好くんが

「そうか、陽子ちゃんを知ってるけどずっと会ってなかったんだね、
陽子ちゃん、亡くなったんだよ」

「へ?」

会える!と思った人が実は亡くなっていた、という事にうろたえて、
どうリアクションをとっていいかわからない。
私はなんだか力が抜けてしまった。

もともと身体が強いほうではなく、去年亡くなる数ヶ月くらい前から具合が悪かったそう。
その時は建築家の夫の仕事で、ミャンマーに住んでいて、
陽子は治療を受けるために日本に帰ってきて一ヶ月くらいで、
夫が帰国して数日後に亡くなったんだそうだ。
40歳だった。

三好くんもびっくりして、もう閉店時間をまわったボッサで
しばらく話を聞いた。今週末に、陽子を偲ぶ会、みたいなのをやるのだと言っていた。
私は口は動かしてなんか話してはいるんだけど、
頭の中は呆然としていた。

その日、遅れて合流するつもりだった集いはすでに盛り上がっていたようで、
どうしても大勢で盛り上がる気になれず、帰ることにした。
ボッサから根津駅までの坂道を下りながらやっと涙が出てきた。
陽子に会いたかったなあー。会いたいなあーって思ったのになあー。
死んじゃうなんてあんまりだよなあー。

ふと、この人ずいぶん会ってないけど会いたいなあーと思ったら、
友達の友達の友達、とかたどれば連絡つくのであれば
連絡してみたほうがいいよね。

人生、いつ何があるかわからない。
今年の4月のネパールの地震の時は
あの地震の一日後にネパールに飛ぶ予定だった。
無惨な姿になってしまったカトマンズの王宮広場は、
カトマンズにいる時の私の庭みたいなもので
あそこに行かずに一日が終わることはあり得なかった。
崩れ去った寺院の下敷きになっていたのは自分だったかもしれない。
そう思うと、生き残った特攻隊員みたいなんだけど
「借りた命」みたいな気がして、
「ちゃんと」生きなきゃなあーとますます思うようになった。

「ちゃんと」っていうのは
あたりまえの事があたりまえにできていることに感謝することだと思う。

今日も朝のコーヒーが美味しかった とか
今日もごはんが美味しかった とか

あれ、食べることばかりだけど

一日を無事にスタートできて
一日を無事に終われる

ことにありがとう、なんだと思う。

そして、伝えたいことを伝えたい人にちゃんと伝えられているかな、
ということなんだと思う。
愛してる人に愛してるって言うとかね。
感謝してる人にありがとうっていうとかね。
次回があるということをあたり前と思ってはいけない。

私は一つの場所にずっといない生活をしているので
余計そのへんの「ちゃんと」は大事にしなきゃな、と思う。

陽子の義理の兄弟である、映像作家の三好大輔くんは、
地域ごとに、昔の8mmフィルムを掘り起こしてまとめて(すごい作業!)
映像作品を作っています。少し見せてもらったけど
その地を知らない私でも、記憶の奥底をくすぐられるような映像。

富士フィルムのCMも作ったんだって。
で、富士フィルムにインタビューもされてます。
ここで彼の映像もちょっと見られます。
何も話さなくなっていたおじいちゃんが映像を見ていきなり話しだしたりするんだって。
素晴らしいライフワーク。

PHOTO IS POWER Vol.30 三好大輔
特別編「映像の力」


そして、この出会いの次の日、
あきらめていた瞑想コースから空きが出た、とのお知らせがあり
3日遅れで瞑想コースに参加したのでした。

こういうタイミングだったんだね。
出会いに感謝。
合掌。

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by shantiriot | 2015-10-22 11:48 | 日々のつぶやきもろもろ

RIO :天然石とシルバーの一点もの中心のジュエリーブランドShanti Riotのデザイナー。インドネパールを中心に旅しつつ制作しつつ、まったりとエキサイティングな日々を送っています。Home is where your heart is.
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